ETFスペック

【ETF分析】-毎月更新-VOOって何?年平均リターンや配当金、構成銘柄徹底分析

このページは2022-12-19に更新しました。

要点
  • S&P500指数に連動する米国を代表する銘柄をまるっと買えるETF
  • 直近10年の年平均リターン13.46%
  • 直近10年の年平均配当金は2.1%
  • セクターtop3:情報技術(23.45%),ヘルスケア(15.31%),金融(13.52%)
  • 保有銘柄top3:アップル(7.08%),マイクロソフト(5.29%),アマゾン・ドット・コム(2.77%)
  • 経費率0.03%
  • インデックス投資の代名詞でもあり、安定して成長することが期待できる

こんにちは、hokkyokunです。
VOOについてまとめました。

これまでのリターンや配当金の推移、構成銘柄や今後の展望について
わかりやすくまとめています。

データの取得から分析、ブログ投稿までPythonというプログラミング言語で自動化しています。
目標は毎月更新!!

VOOとは?

VOOの正式名称

ブルームバーグの説明を拝借すると下記のように書いております。

バンガードS&P 500 ETF(Vanguard S&P 500 ETF)は、米国籍のETF(上場投資信託)。S&P500種指数のパフォーマンスに連動する投資成果を目指す。主に米国の大型株を保有。S&P500種指数の全構成銘柄に投資し、四半期ごとに時価総額加重平均を用いて保有銘柄のウエートを算定し、リバランスする。

Bloomberg

正式名称はバンガードS&P 500 ETFです。
S&P500種指数に連動するETFです。

最も有名なインデックスETFの一つであり、インデックス投資ブームの火付け役です。

後述しますが、長期で安定的に成長を期待するならこれ一本で十分でしょう。
ただし、2022年に関して言えばかなり苦戦中です。

VOOの詳細

VOOについて重要な基礎データをまとめてみました。

カテゴリーはモーニングスターによる分類です。
ETFの規模によりLarge,Medium,Small
ETFの特徴によりValue,Blend,Growthに分類されています。

名称
カテゴリー Large Blend
ファンド Vanguard
経費率 0.03%
資産総額 264.388×10億ドル
前日終値 358.13
年初来リターン -17.99%
2021年利回り 1.4%
52週レンジ 319.87-441.26
52週高値からの騰落率 -18.84%
現在の相場観 調整局面

一般的に、52週間の最高値から
10%以上の下落:調整局面
20%以上の下落:弱気相場といわれています。

現在は調整局面ですね。
経費率は0.03%なので優秀です。

現状としてはかなり苦戦中です

VYMやSPYDなどは相場観がかなり回復してきていますが、
一時よりは上がったものの、まだまだVOOは低迷中です。

VOOが優秀なのは間違いないですが、
投資するなら一年二年は我慢する必要があるかもしれません。

案外利回りも1%以上とそこそこにはあります。
VOOの魅力は圧倒的成長性だと思いますが、お小遣い程度に配当金ももらえそうです。

比較銘柄

VOOはインデックスETF銘柄の代表格です。

同じようなETFとして以下のようなものがあります。
リンクを貼っておきますので、是非ご確認ください。

インデックスETF銘柄

これ以外にも高配当ETFや債券ETFも検証すると良いと思われます。

銘柄を比較した記事もご紹介します。

あわせて読みたい

VTI × VOO S&P500連動ETFとの比較

VOOのセクター・銘柄構成

VOOの構成銘柄について、セクター別、保有する株式銘柄別でまとめました。

セクター構成比

名称 パーセント 更新日付
情報技術 23.45 2022-12-19
ヘルスケア 15.31 2022-12-19
金融 13.52 2022-12-19
一般消費財 10.52 2022-12-19
資本財 8.63 2022-12-19
生活必需品 7.33 2022-12-19
コミュニケーションサービス 7.31 2022-12-19
エネルギー 5.33 2022-12-19
不動産 2.72 2022-12-19
公共事業 2.43 2022-12-19
素材 2.26 2022-12-19
情報技術が多いです

現在は金利の利上げが行われている最中であり、
金利とテクノロジー系は反対の動きをしやすいです。

現在のVOOが苦戦している理由の一つです。

保有銘柄構成比

ティッカー 名称 数量 金額 パーセント 更新日付
AAPL:US アップル 122.50百万 18.78十億 7.08 2022-12-19
MSFT:US マイクロソフト 60.47百万 14.04十億 5.29 2022-12-19
AMZN:US アマゾン・ドット・コム 71.87百万 7.36十億 2.77 2022-12-19
TSLA:US テスラ 21.60百万 4.91十億 1.85 2022-12-19
GOOGL:US アルファベット 48.61百万 4.59十億 1.73 2022-12-19
BRK/B:US バークシャー・ハサウェイ 14.64百万 4.32十億 1.63 2022-12-19
UNH:US ユナイテッドヘルス・グループ 7.58百万 4.21十億 1.59 2022-12-19
GOOG:US アルファベット 43.48百万 4.12十億 1.55 2022-12-19
XOM:US エクソンモービル 33.80百万 3.74十億 1.41 2022-12-19
JNJ:US ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) 21.32百万 3.71十億 1.40 2022-12-19
etc その他 73.70 2022-12-19
アップルやマイクロソフトなど誰もが知っている大企業です

説明不要の大企業です。
また、テスラのようなここ数年で伸びてきた企業もしっかり保有しています。

VOOの利回り

VOOの配当金は年に4回でる。

日本の銘柄は多くの場合、年1~2回だと思いますが、
米国は多くの場合4半期ごとに出ます。

VOOは年に4回

配当金はいつでるの?

配当金は権利落ち日の前営業日までに取得しておく必要があります。

過去の履歴を見る限り、権利落ち日は
3月・6月・9月・12月のようです。

結構、年によっては中旬ごろになったり、ばらばらしているので、
あまりぎりぎりを狙わず余裕をもって買うことをお勧めします。

配当金が入金されるのは権利落ち日から数日後となり、
月をまたぐことも多いようなので気長に待ちましょう。

権利落ち日の前日までに取得している株数に応じて
配当金が支給される。

  • 配当金の権利落ち日は3月・6月・9月・12月が多い
  • あまりぎりぎりを狙わず余裕をもって買っておく
  • 入金は権利落ち日から数日~1週間程度遅れることも

過去10年の配当金の推移

過去の配当金と配当金が出た日付の終値を表にしました。
過去10年の配当金支給額と利回りを計算しています。

日付 価格 配当金 利回り
2010-09-24 83.64 0.56 0.67
2010-12-27 92.15 0.53 0.57
2011-03-25 96.65 0.54 0.55
2011-06-24 93.83 0.57 0.61
2011-09-23 84.34 0.58 0.69
2011-12-23 94.60 0.69 0.73
2012-03-26 106.46 0.57 0.54
2012-06-25 99.29 0.64 0.64
2012-09-24 110.76 0.69 0.62
2012-12-24 109.05 0.94 0.86
2013-03-22 119.67 0.67 0.56
2013-06-24 121.49 0.74 0.61
2013-09-23 132.22 0.79 0.59
2013-12-24 143.11 0.91 0.64
2014-03-24 145.71 0.78 0.53
2014-06-23 154.66 0.81 0.52
2014-09-22 158.00 0.88 0.55
2015-03-23 167.47 0.98 0.59
2015-06-22 169.78 0.90 0.53
2015-09-21 158.23 0.95 0.60
2015-12-21 163.44 1.09 0.67
2016-03-21 166.81 1.01 0.60
2016-06-21 170.78 0.95 0.56
2016-09-13 174.72 0.88 0.51
2016-12-22 186.85 1.30 0.69
2017-03-22 194.98 1.00 0.51
2017-06-23 203.47 1.01 0.50
2017-09-20 210.33 1.18 0.56
2017-12-26 225.89 1.18 0.52
2018-03-26 225.07 1.08 0.48
2018-06-28 231.09 1.16 0.50
2018-09-26 248.42 1.21 0.49
2018-12-17 218.71 1.29 0.59
2019-03-21 246.54 1.46 0.59
2019-06-27 253.73 1.39 0.55
2019-09-26 259.82 1.30 0.50
2019-12-23 282.49 1.43 0.51
2020-03-10 253.67 1.18 0.46
2020-06-29 270.35 1.43 0.53
2020-09-29 296.35 1.31 0.44
2020-12-22 328.98 1.38 0.42
2021-03-26 356.03 1.26 0.35
2021-06-29 385.85 1.33 0.35
2021-09-29 393.32 1.31 0.33
2021-12-21 420.68 1.53 0.36
2022-03-24 410.52 1.37 0.33
2022-06-29 348.11 1.43 0.41
2022-09-28 340.48 1.47 0.43

先ずは配当金額(ドル)の推移です。
順調に額も伸びています

優良な高配当銘柄は定期的に増配(一株当たりの配当金が増額される)されるので
何年も前に買っておくと表記の利回り以上の割合で配当金を得ることになります。


次は利回り(%)の推移です。
利回りは逆に下がっていますね

ここは落とし穴で
増配しているといっても価格がそれ以上に伸びていれば
利回りが悪くなっています

理論的に言えば
優良な増配が期待できる高配当銘柄は
早くからまとめて株を買っておくと
それだけ高い配当利回りが期待できます。

  • VOOの一株あたりの配当金額はゆるやかだが
    年々上がっている
  • 利回りは大きく下がってから横ばい
    価格の上昇に見合った増配が行われている。
  • 理論的にはより早く投資しておくと、高い利回りが期待できる。

過去10年の配当金の推移(年毎にまとめ)

一年ごとにデータをまとめてみました。

少し用語についても説明します。

  • 平均価格
    配当金の権利落ち日の終値の価格の平均価格
  • 利回り
    配当金 / 平均価格 × 100
平均価格 配当金 利回り
2011 92.36 2.38 2.58
2012 106.39 2.84 2.67
2013 129.12 3.11 2.41
2014 152.79 2.47 1.62
2015 164.73 3.92 2.38
2016 174.79 4.14 2.37
2017 208.67 4.37 2.09
2018 230.82 4.74 2.05
2019 260.64 5.58 2.14
2020 287.34 5.30 1.84
2021 388.97 5.43 1.40

過去10年の配当金の平均利回り(年)は2.1%

年利で見ても減少傾向にあるのは間違いなさそうです

YOC(イールドオンコスト)と配当利回り

YOC(Yield On Cost:イールドオンコスト)という考え方があります。

これは

YOC(%) = (配当金) / (買ったときの値) × 100 

で計算できる値です。

先に述べたように優良な高配当銘柄は増配が毎年のように行われます。

それにより何年も前に安い価格で買っていた場合、
表面の利回り以上の配当利回りが期待できます。

例えば
2012年の配当金権利落ち日の平均価格は35.99ドルですが
2021年の一株当たりの配当金は3.1ドルとなり、

YOCは

3.1 / 35.99 × 100 =8.6%

というすばらしい利回りにまで成長させることができます。

理論的には
優良高配当株はできるだけ早くにまとまった金額を買う方が有利に思いますが、

現実的には障壁があります。

  • 早期にまとまった資金を用意することが現実的に可能か
  • その後の下落のリスクを無視して一時期に集中投資するのは現実的か

大きくはこの二点かと思います。

特に一点目のまとまった資金がある人の方が少なく、
私も含め多くの人が日々の節制を行って虎の子の資金を毎月積み立てしていると思います。

その場合のYOCの計算は非常に複雑になりますが
Pythonというプログラミング言語を用いて
実際の過去データからシミュレーションしました。

こちらに記事がありますので
ぜひ見てみてください!

https://etf-labo.site/simulation-voo/

配当金にかかる税金

上記の配当金は税引き前です。
配当金の税金は以下のものがかかるようになっています。

  • 配当金の税金は米国でかかるものと日本国でかかるものがあります。
  • 米国は配当金に対し、10%
  • 日本国は米国で税金を支払った残りに対し、日本円に換算後20.315%
  • 例えば一ドル120円、配当金100ドルの場合
    米国税金:100ドル×10/100=10ドル
    日本国税金:(100ドル-10ドル)×120×20.315/100=2194.02円
  • 為替を考慮すると面倒なので、簡略化して
    米国税金:100ドル×10/100=10ドル
    日本国税金:(100ドル-10ドル)×20.315/100=18.2835
    つまり税処理後:100-10-18.2835=71.7165
  • 税処理後金額は配当金×0.717で計算すると簡易的に値が求められます。
  • 米国と日本の二重課税となっており、一部は取り戻すことができますが、
    申告者の所得税の納付状況により変わるのでここでは考慮しないことにします。

VOOの成長性

VOOの価格推移

VOOの過去の株価推移を示します。
右肩上がりが理想ですが、積立投資の場合、そうでなくても配当金や直近の価格次第で利益は変わってきます。
なので、シミュレーションしてみると案外利益が出ていたりします。


過去10年の各年のリターン

各年のリターンです。

初日 初日の値 最終日 最終日の値 リターン リターン(%)
2011 2011-01-03 93.14 2011-12-30 94.03 0.89 0.96
2012 2012-01-03 95.42 2012-12-31 109.06 13.64 14.29
2013 2013-01-02 111.76 2013-12-31 144.39 32.63 29.20
2014 2014-01-02 143.09 2014-12-31 163.05 19.96 13.95
2015 2015-01-02 163.05 2015-12-31 165.21 2.16 1.32
2016 2016-01-04 162.90 2016-12-30 185.31 22.41 13.76
2017 2017-01-03 186.60 2017-12-29 225.66 39.06 20.93
2018 2018-01-02 227.32 2018-12-31 215.51 -11.81 -5.20
2019 2019-01-02 215.68 2019-12-31 283.10 67.42 31.26
2020 2020-01-02 285.61 2020-12-31 334.98 49.37 17.29
2021 2021-01-04 330.43 2021-12-31 431.43 101.00 30.57
2022 2022-01-03 434.08 2022-12-16 353.86 -80.22 -18.48

過去10年の平均リターンは13.46%

各年のリターンをグラフにしてみました。


圧倒的なパフォーマンスはもちろんですが、
ほとんどマイナス成長の年がなく、安定的に成長していることが長所かと思います。

ただ、今後は米国株の長期低迷も予想されるので
2023年がどうなるかはかなり注目されるでしょう。

VOOの今後の株価はどうなる?

未来の株価を予想するのはとても難しく、
予期せぬ事態はいくらでも考えられます(疫病。。戦争。。)

機械学習やファンダメンタルから予想する方法もありますが、
少し視線をずらして予想してみます。

2022年の1年のリターンは-18.48%
2020年から2022年の3年の年平均リターンは9.79%
2013年から2022年の10年の年平均リターンは13.46%
2011年から2022年の12年の平均リターンは12.49%

長期的観点からみると直近のリターンは高いという見方はできます。
一方、今のビックトレンドはインフレと利上げですので、
高配当系のバリュー株には追い風の場合が多いです。

平均に回帰すると考えれば、今後は過去20年のリターンを下回る可能性は考えられます。

少なくとも、ここ数年のペースで今後もうまくいくと単純に考えるべきではないでしょう。

過去10年、毎月積み立てたらリアルにいくらになる?

よくある利回りを7%と仮定すると。。。
みたいな簡易的で現実にはありえないシミュレーションではなく、

ガチで過去のデータをもとに定期購入した場合のシミュレーションです。

よかったら、今後の投資戦略の一つにご参照ください。

https://etf-labo.site/simulation-voo/

VOO投資のメリットとデメリット

メリット

  • 圧倒的な高い成長性
    理想的な右肩あがりの成長をみせています。
    ほとんどの銘柄よりも高いパフォーマンスを誇っています。
  • 安定的な成長
    マイナスになった年は少なく、
    ほとんどの年でプラス二桁の成長となっています。
  • 安価な経費
    経費率0.03%
    時代に合ったアセットを組んでくれるのでコスパはめちゃくちゃいいです。

デメリット

  • 価格が高い
    現在の終値で300ドル以上するので、
    毎月投資するためには4万円近く必要となります。
  • 成長性の鈍化懸念
    ハイテク銘柄が多く、現在の利上げが行われている状況では
    高い成長は厳しいかもしれません。
    また、過去数年のパフォーマンスは圧倒的で平均回帰するなら
    今後数年は平均リターンを下回るかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
もういちどまとめます

まとめ
  • 経費率は0.03%
  • 現在は調整局面
  • 直近10年の年平均リターン13.46%
  • 直近10年の年平均配当金は2.1%
  • 昨年のリターン >> 過去20年のリターン
    平均に回帰するなら今後の成長性は鈍化する可能性も
  • セクターtop3:情報技術(23.45%),ヘルスケア(15.31%),金融(13.52%)
  • 保有銘柄top3:アップル(7.08%),マイクロソフト(5.29%),アマゾン・ドット・コム(2.77%)
  • メリットは圧倒的な高い成長性!安定的な成長!安価な経費!
  • デメリットは価格が高い!成長性の鈍化懸念!

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何かの参考になれば幸いです。
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ではでは。

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