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【ETF分析】-毎月更新-SPYDって何?年平均リターンや配当金、構成銘柄徹底分析

このページは2022-12-19に更新しました。

要点
  • S&P500のうちの高配当銘柄80銘柄に連動するETF
  • 直近10年の年平均リターン10.35%
  • 直近10年の年平均配当金は5.36%
  • セクターtop3:金融(21.79%),不動産(14.23%),公共事業(12.84%)
  • 保有銘柄top3:ギリアド・サイエンシズ(1.82%),カーディナルヘルス(1.78%),プリンシパル・ファイナンシャル・グループ(1.7%)
  • 経費率0.07%
  • 配当金、成長性ともに高い。
    成長の果実を受け取りながら、配当金でお小遣いも定期的に受け取れる。
    配当金再投資すればさらに資産はさらに伸びる

こんにちは、hokkyokunです。
SPYDについてまとめました。

これまでのリターンや配当金の推移、構成銘柄や今後の展望について
わかりやすくまとめています。

データの取得から分析、ブログ投稿までPythonというプログラミング言語で自動化しています。
目標は毎月更新!!

情報収集には最新の注意を行っておりますが、
投資は自己責任でお願いします。

SPYDとは?

SPYDの正式名称

ブルームバーグの説明を拝借すると下記のように書いております。

SPDRポートフォリオS&P 500高配当ETFは、米国で設立された上場投資信託です。 ファンドは、S&P500高配当指数の価格と利回りのパフォーマンスに対応する投資結果を提供することを目指しています。 インデックスは、指標となる利回りに基づいて、S&P500で最も利回りの高い80社を追跡します。

Bloomberg

正式名称はSPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETFです。
S&P指数構成銘柄の中で配当利回りが高い80銘柄に投資するETFです

後で構成銘柄も確認しますが、
SPYDは基本的に80銘柄均等構成です。

よって時価総額や株価の高い低いにかかわらず同じ割合で構成されていくという特徴があります。

SPYDの詳細

SPYDについて重要な基礎データをまとめてみました。

カテゴリーはモーニングスターによる分類です。
ETFの規模によりLarge,Medium,Small
ETFの特徴によりValue,Blend,Growthに分類されています。

名称
カテゴリー Large Value
ファンド SPDR State Street Global Advisors
経費率 0.07%
資産総額 7.889×10億ドル
前日終値 40.16
年初来リターン -2.36%
2021年利回り 3.07%
52週レンジ 34.79-45.83
52週高値からの騰落率 -12.37%
現在の相場観 調整局面

一般的に、52週間の最高値から
10%以上の下落:調整局面
20%以上の下落:弱気相場といわれています。

現在は調整局面ですね。
経費率は0.07%なので優秀です。

年初来リターンはマイナスですが、
他の多くの銘柄の状況を考えるとかなり成績は良い方です

昨年の利回りも3%あり、持っているだけでいいお小遣いも得られますね!!

調整局面ではありますが、
年初の値を超えてきたので
急速に回復しています。

比較銘柄

SPYDは高配当銘柄です。

同じようなETFとして以下のようなものがあります。
リンクを貼っておきますので、是非ご確認ください。

高配当ETF銘柄

これ以外にもインデックスETFや債券ETFも検証すると良いと思われます。

銘柄を比較した記事もご紹介します。

あわせて読みたい

VYM × HDV × SPYD 高配当ETFの比較

SPYDのセクター・銘柄構成

SPYDの構成銘柄について、セクター別、保有する株式銘柄別をまとめました。

セクター構成比

名称 パーセント 更新日付
金融 21.79 2022-12-19
不動産 14.23 2022-12-19
公共事業 12.84 2022-12-19
エネルギー 10.13 2022-12-19
ヘルスケア 8.39 2022-12-19
生活必需品 7.14 2022-12-19
一般消費財 6.88 2022-12-19
コミュニケーションサービス 6.67 2022-12-19
情報技術 4.61 2022-12-19
素材 3.49 2022-12-19
資本財 1.13 2022-12-19

VYMとHDVのハイブリットのような特徴があります。

よくVYM,HDVと比較されますが、これらはセクターに違いが見られます。

HDVはエネルギー、VYMは金融がトップクラスのセクターとなっています
SPYDはこれらを1,2位(しかもほぼ同じくらい)で構成していますね。

  • VYMは金融系の高配当株
  • HDVはエネルギー系の高配当株
  • SPYDはそのハイブリット

保有銘柄構成比

ティッカー 名称 数量 金額 パーセント 更新日付
GILD:US ギリアド・サイエンシズ 1.60百万 138.48百万 1.82 2022-12-19
CAH:US カーディナルヘルス 1.70百万 135.01百万 1.78 2022-12-19
PFG:US プリンシパル・ファイナンシャル・グループ 1.52百万 128.95百万 1.70 2022-12-19
XOM:US エクソンモービル 1.11百万 116.70百万 1.54 2022-12-19
PSX:US フィリップス66 1.15百万 115.56百万 1.52 2022-12-19
CVX:US シェブロン 673.15千 113.57百万 1.50 2022-12-19
DRI:US ダーデン・レストランツ 799.84千 111.90百万 1.47 2022-12-19
VTRS:US ビアトリス 10.16百万 111.39百万 1.47 2022-12-19
VLO:US バレロ・エナジー 933.13千 111.39百万 1.47 2022-12-19
STT:US ステート・ストリート 1.42百万 110.65百万 1.46 2022-12-19
etc その他 84.27 2022-12-19
SPYDは均等割り構成なので、
ほぼほぼ同じ割合です。

企業の大小にかかわらないので
あまり聞いたことがない企業も多いですね。

SPYDの利回り

SPYDの配当金は年に3回でる。

日本の銘柄は多くの場合、年1~2回だと思いますが、
米国は多くの場合4半期ごとに出ます。

SPYDは年に3回

配当金はいつでるの?

配当金は権利落ち日の前営業日までに取得しておく必要があります。

過去の履歴を見る限り、権利落ち日は
3月・6月・9月・12月のようです。

結構、年によっては中旬ごろになったり、ばらばらしているので、
あまりぎりぎりを狙わず余裕をもって買うことをお勧めします。

配当金が入金されるのは権利落ち日から数日後となり、
月をまたぐことも多いようなので気長に待ちましょう。

権利落ち日の前日までに取得している株数に応じて
配当金が支給される。

  • 配当金の権利落ち日は3月・6月・9月・12月が多い
  • あまりぎりぎりを狙わず余裕をもって買っておく
  • 入金は権利落ち日から数日~1週間程度遅れることも

過去7年の配当金の推移

過去の配当金と配当金が出た日付の終値を表にしました。
過去10年の配当金支給額と利回りを計算しています。

日付 価格 配当金 利回り
2015-12-18 21.16 0.33 1.56
2016-03-18 23.93 0.28 1.16
2016-06-17 24.71 0.33 1.32
2016-09-16 25.49 0.33 1.28
2016-12-16 27.16 0.58 2.15
2017-03-17 27.54 0.32 1.15
2017-06-16 27.95 0.34 1.23
2017-09-15 28.60 0.36 1.27
2017-12-15 30.27 0.71 2.35
2018-03-16 29.64 0.35 1.18
2018-06-15 30.39 0.38 1.24
2018-09-21 31.83 0.45 1.42
2018-12-21 28.52 0.44 1.55
2019-03-15 32.23 0.34 1.05
2019-06-21 32.81 0.46 1.41
2019-09-20 32.99 0.45 1.36
2019-12-20 34.88 0.50 1.42
2020-03-20 20.10 0.40 1.97
2020-06-19 25.95 0.37 1.41
2020-09-18 26.10 0.26 1.01
2020-12-18 30.57 0.61 1.99
2021-03-19 36.53 0.64 1.74
2021-09-17 37.63 0.39 1.03
2021-12-17 39.36 0.13 0.33
2022-03-18 41.88 0.65 1.56
2022-06-17 38.22 0.41 1.06
2022-09-16 39.18 0.42 1.07
2022-12-16 39.09 0.51 1.30

先ずは配当金額(ドル)の推移です。
ゆるやかですが、
上昇傾向です。

かなり上下が激しいですが、
金額自体はゆるやかに伸びていますね。

優良な高配当銘柄は定期的に増配(一株当たりの配当金が増額される)されるので
何年も前に買っておくと表記の利回り以上の割合で配当金を得ることになります。


次は利回り(%)の推移です。
横並び~やや下げ基調です。

ここは落とし穴で
増配しているといっても価格がそれ以上に伸びていれば
利回りが悪くなっています。

下がっているとはっきりいうほどではないですが、
少なくとも利回りが伸びている状況ではないです

理論的に言えば
優良な増配が期待できる高配当銘柄は
早くからまとめて株を買っておく
とそれだけ高い配当利回りが期待できます。

  • SPYDの一株あたりの配当金額は年々上がっている
  • 利回りは横並び~やや下げ基調
  • 理論的にはより早く投資しておくと、高い利回りが期待できる

一年ごとにデータをまとめてみました。

少し用語についても説明します。

  • 平均価格
    配当金の権利落ち日の終値の価格の平均価格
  • 利回り
    配当金 / 平均価格 × 100
平均価格 配当金 利回り
2016 25.32 1.52 6.00
2017 28.59 1.73 6.05
2018 30.10 1.62 5.38
2019 33.23 1.75 5.27
2020 25.68 1.64 6.39
2021 37.84 1.16 3.07

過去10年の配当金の平均利回り(年)は5.36%

2021年は極端に下がっています。

2021年は通常年4回出る配当金が年3回となり、
かなり苦しかった様子がうかがえます。

2022年も3月と6月の配当金は
例年より少ないですが、徐々に回復しています。

YOC(イールドオンコスト)と配当利回り

YOC(Yield On Cost:イールドオンコスト)という考え方があります。

これは

YOC(%) = (配当金) / (買ったときの値) × 100

例えば
2012年に買った価格が50ドル
2021年に価格が100ドルに上昇
2021年の一株当たりの配当金は5ドルの場合

2021年時点の配当利回りとYOCを計算してみます。

  • 配当利回りは
    5 / 100 × 100 = 5%
  • YOCは
    5 / 50 × 100 = 10%

同じ配当金ですが、資産効率は向上していることになります。
当然10年20年後には資産効率の高い銘柄に投資する方が有利です。

理論的には
優良高配当株はできるだけ早くにまとまった金額を買う方が有利に思いますが、

現実的には障壁があります。

  • 早期にまとまった資金を用意することが現実的に可能か
  • その後の下落のリスクを無視して一時期に集中投資するのは現実的か

大きくはこの二点かと思います。

特に一点目のまとまった資金がある人の方が少なく、
私も含め多くの人が日々の節制を行って虎の子の資金を毎月積み立てしていると思います。

その場合のYOCの計算は非常に複雑になりますが
Pythonというプログラミング言語を用いて
実際の過去データからシミュレーションしました。

こちらに記事がありますので
ぜひ見てみてください!

https://etf-labo.site/simulation-spyd/

配当金にかかる税金

上記の配当金は税引き前です。
配当金の税金は以下のものがかかるようになっています。

  • 配当金の税金は米国でかかるものと日本国でかかるものがあります。
  • 米国は配当金に対し、10%
  • 日本国は米国で税金を支払った残りに対し、日本円に換算後20.315%
  • 例えば一ドル120円、配当金100ドルの場合
    米国税金:100ドル×10/100=10ドル
    日本国税金:(100ドル-10ドル)×120×20.315/100=2194.02円
  • 為替を考慮すると面倒なので、簡略化して
    米国税金:100ドル×10/100=10ドル
    日本国税金:(100ドル-10ドル)×20.315/100=18.2835
    つまり税処理後:100-10-18.2835=71.7165
  • 税処理後金額は配当金×0.717で計算すると簡易的に値が求められます。
  • 米国と日本の二重課税となっており、一部は取り戻すことができますが、
    申告者の所得税の納付状況により変わるのでここでは考慮しないことにします。

SPYDの成長性

SPYDの価格推移

SPYDの過去の株価推移を示します。
右肩上がりが理想ですが、積立投資の場合、そうでなくても配当金や直近の価格次第で利益は変わってきます。
なので、シミュレーションしてみると案外利益が出ていたりします。


大きな特徴があり、それは

2020年のコロナショックからの立ち直りがかなり遅かった
ということです。

よく比較されるVYMやHDVよりも時間がかかりました。

買場がたくさんあるという見方もできますが、
コロナ前に水準を戻した後も
高い成長性とはいいづらいグラフですね。

過去7年の各年のリターン

各年のリターンです。

初日 初日の値 最終日 最終日の値 リターン リターン(%)
2016 2016-01-04 21.41 2016-12-30 26.89 5.48 25.60
2017 2017-01-03 27.12 2017-12-29 30.30 3.18 11.73
2018 2018-01-02 30.40 2018-12-31 28.82 -1.58 -5.20
2019 2019-01-02 28.63 2019-12-31 34.93 6.30 22.00
2020 2020-01-02 34.65 2020-12-31 30.86 -3.79 -10.94
2021 2021-01-04 30.35 2021-12-31 40.56 10.21 33.64
2022 2022-01-03 40.89 2022-12-16 39.09 -1.80 -4.40

過去10年の平均リターンは10.35%

各年のリターンをグラフにしてみました。


データが少ないので、分析は難しいですが、
二桁下落と20%以上の上昇と上下の激しい銘柄です。

マイナスの翌年はすさまじい成長性を見せています。

ただ、今後は米国株の長期低迷も予想されるので
2023年がどうなるかはかなり注目されると思います。

  • SPYDはリターンの上下が激しい
  • マイナス成長のあとの成長はかなり高い
  • 今後は米国成長に懸念があり、
    2023年(2022年がマイナス成長の後)は注目

SPYDの今後の株価はどうなる?

未来の株価を予想するのはとても難しく、
予期せぬ事態はいくらでも考えられます(疫病。。戦争。。)

機械学習やファンダメンタルから予想する方法もありますが、
少し視線をずらして予想してみます。

2022年の1年のリターンは-4.4%
2020年から2022年の3年の年平均リターンは6.1%
2016年から2022年の7年の年平均リターンは10.35%
2016年から2022年の7年の平均リターンは10.35%

データ年数が少ないので、何とも言えませんが。。
昨年は例年よりもはるかに高かったのは間違いないです。

SPYDはS&P500の高配当銘柄の集中投資ですが、
S&P500はここ数年は過去数十年の平均リターンよりもかなり高いペースで伸びています。

S&P500が平均回帰でリターンが落ちてくると予想するのであれば
SPYDも無事では済まないでしょう。

過去7年、毎月積み立てたらリアルにいくらになる?

配当金のところでも書きましたが、積立のシミュレーションをしています。

よくある利回りを7%と仮定すると。。。
みたいな簡易的で現実にはありえないシミュレーションではなく、

ガチで過去のデータをもとに定期購入した場合のシミュレーションです。

よかったら、今後の投資戦略の一つにご参照ください。

https://etf-labo.site/simulation-spyd/

SPYD投資のメリットとデメリット

メリット

  • 高い配当金利回り
    直近10年の年平均利回り5.36%はかなりの好成績です。
    よく比較させれるVYMやHDVよりも一回り二回り高いです。
  • 安価な経費
    経費率0.07%
    銘柄選びに偏りはありますが、一応インデックス連動型ETFです。
    なので経費率は安い!コスパはめちゃくちゃいいです。

デメリット

  • 配当金は税金を都度とられる
    これが一番大きいかも。
    成長株は税金を最後の売却まで先延ばしできますが、
    高配当は税金を都度とられて、資産効率が悪いです。
  • 利下げブーストの恩恵が少ない
    私はリアルタイムで投資をしていたのですが、VTIやVOOが成長している中、
    高配当はなかなかあがらずやきもきしていました。
    これって想像以上にストレスでした。。。
  • 銘柄選びに癖がある
    個人的には一番の懸念です。
    S&P500銘柄なのは良いのですが、
    そこから利回りの高い銘柄だけ意図的に抽出し、
    しかも均等割りなので企業の大小を反映しづらいという点が挙げられます。

VYMやHDVのような成長と分配をバランスよくとるというより、

とにかく配当利回りを高めた。その分価格は暴れます(笑)

という銘柄かなと思います。

ただその分伸びるときはかなり伸びるし、
配当利回りが高いこともアドバンテージです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
もういちどまとめます

まとめ
  • 経費率は0.07%
  • 現在は調整局面
  • 直近10年の年平均リターン10.35%
  • 直近10年の年平均配当金は5.36%
  • 昨年のリターン >> 過去7年のリターン
    平均に回帰するなら今後の成長性は鈍化する可能性も
  • セクターtop3:金融(21.79%),不動産(14.23%),公共事業(12.84%)
  • 保有銘柄top3:ギリアド・サイエンシズ(1.82%),カーディナルヘルス(1.78%),プリンシパル・ファイナンシャル・グループ(1.7%)
  • メリットは利回り高い!安い経費率!
  • デメリットは配当で税金都度とられる!利下げブーストの恩恵が少ない!銘柄選びに癖がある!

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何かの参考になれば幸いです。
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